【職人技】AE86デフを贅沢に新品部品で精密フルオーバーホール!

【職人技】AE86デフを贅沢に新品部品で精密フルオーバーホール!

先日、リアからの唸り音がうるさいとのことで入庫していた、AE86 デファレンシャルギア。

略称、デフ。

通常のオーバーホール予定でしたが、
ファイナルギアやピニオンギアが酷く削れていたり、他にも交換が必要な部品が多数出てきたので、お客様とご相談しておりました。

そして、先日のブログ投稿にて、オーバーホールの方向性が決定したのでご報告。

作業はすぐに完了していましたが、以後の経過報告がそれっきりでしたので、今回このブログでまとめてご紹介します。

上記、前回のブログ。

前回からかなり時間が空いてしまったので、最初から時系列順にご紹介しますね。

まずは分解前にイニシャルトルク測定。

LSDの状態を確認します。

イニシャルトルクは8.6キロ。

悪くない数値。

街乗りやスポーツ走行を楽しむのであれば、10〜13キロくらいを推奨しておりますが、
ご相談の上、街乗りメインとのことでLSDはそのまま再使用。

もちろんトルクレンチは、定期的に校正しているものを使用。
校正されていない工具では正しい値が測定できないので使うべきではないですね。

デフオーバーホール治具に取付。

自作で造りましたが、この治具により作業効率が爆上がり。

改善点はあるので、また造り変えようかな。

欲しい方は製作しますのでお問い合わせください。(笑)

バラす前に各部測定します。

歯当たりも見ときます。

バラす前にチェックする職人さんは少ないように思いますが必ずチェックしています。

なぜならこの時点での当たり具合を見れば、最終調整段階のおおよその見当がつくからです。

オーバーホールやりすぎて、ノウハウ満載です。(笑)

結構外側に当たっているので、ギア削れやギア飛び、唸り音がしやすい状態ですね。

総合プレロードも測定。

0.2〜0.3Nm。

基準値外ですし、軽すぎる。

LSDはオーバーホール済みと聞いていたので、少し嫌な予感がしますね。

画像にはありませんが、バックラッシュ測定もしています。

バックラッシュ測定とは、簡単にいうとギアとギアのガタのこと。

ガタがありすぎても、無さすぎてもダメなんですよ。

これが一番やばくて、測定不能。

ガタがほぼゼロでした。

今まで色んなデフをオーバーホールしてきましたが、ガタゼロは初めて。

全分解完了。

ベアリングの状態を見て、一応交換はされていそうで状態は悪くはない。

ここで異音の原因はベアリングでないことが判明。

状態確認を進めると、、、原因を発見・・・!

ファイナルギアとピニオンギアが酷く削れている。

削れた原因は組み上げミスと調整ミスでしょう。

唸り音には関係ないですが、コンパニオンフランジの摺動面も傷が入っています。

オイルシールを新品にしてもオイル漏れする個体は、コンパニオンフランジがダメになっていますので、新品に交換してあげましょう。

ここまでの話から、通常のオーバーホールでは作業できないことから、お客様にご相談。

ファイナルギアやピニオンギア、コンパニオンフランジ等、全部新品に交換してくださいとのことでした。

トヨタ純正新品部品をふんだんに使ってオーバーホールすることが決定!

ここまでが前回までの内容でした。

全ての新品部品が到着!

ファイナルは4.5 → 4.7 に変更。

純正は4.3なので、元々ローギヤード化されていましたが、4.7にすることでさらに加速が楽しい仕様に!

これは取付が楽しみですね。

コンパニオンフランジはトヨタがヘリテージパーツとして復刻販売していたので安心し切っていましたが、その廃盤復刻した商品がまさかの廃盤に。

シャレにならん。

探すのに苦労しましたが、なんとか入手。

圧入されているベアリングを分解していきます。

通常オーバーホール作業なので朝飯前ですね。

ファイナルギアは交換するのでデフから切り離します。

全分解完了!

結構オイルに鉄粉が混ざってました。

ギアが削れた証拠ですね。

新旧比較。

削れたところが光って見えます。

結構、削れてますね。

唸り音気にならなければ、使えるレベルではある。

コンパニオンフランジは酷いですね。

摺動面の径が細くなっているので、オイルシールを新品にしても漏れるわけです。

続いて、LSD。

こちらはTRD製。

TRDはオーバーホールキットは廃盤で基本的には出来ません。

某オクで見かけますが、TRD純正ではないので少し不安ですね。

シム増しでイニシャルトルクをアップさせる方法がありますが、弊害もあるのでオススメは出来ないですね。

オイルにギアの鉄粉が混ざっていたので、オーバーホールしたいとことですが、予算の都合上、今回はそのまま再使用。

取り外した部品。

ベアリングは綺麗そうでしたが、グリス充填も何もされていないので新品に交換。

皆さんはきっちりグリス充填してますよね。

洗浄・磨きが終わり、やっと組み上げの準備が完了。

ファイナルギア組付。

温度管理の元、高温で熱して挿入。

4.7ファイナル!

ベアリングにグリス圧送。

これやらないとすぐにブローしますから。

各部にベアリングを圧入。

このデフの唯一の欠点、ピニオンワッシャーの厚み調整。

この厚みは、歯当たりを見て決めるのですが、この時点ではどの厚みが適正かは分かりません。

とりあえず厚みのサイズを計るために分解し、とりあえず戻します。

今回は、歯当たりも元々悪かったし、ファイナルギアやそれ以外にも部品交換で予測しづらい。

このベアリングは圧入だし、歯当たりも全て組んだ後にしか測定できないので、ハマると恐ろしく時間がかかります。

全組み、全バラしの繰り返しになるわけです。

見当がつくまでは、中古ベアリングで仮組みします。

有り難いことに、オーバーホールの依頼が溜まってわちゃわちゃ。

仮組みして、1回目の測定。

バックラッシュ測定、歯当たり測定。

バックラッシュは基準値内で調整。

歯当たりは、ヒール当たり、フェース当たりなので、全然ダメですね。

要するに、ファイナルギアとピニオンギアが遠すぎて、ギアの外側且つ上側に当たっているんです。

もっと近づける必要があるわけです。

近づけるには、先ほど申したピニオンギアワッシャーの厚みを分厚くするわけです。

なので、再度全部バラします。

この繰り返しで、良い歯当たりにしていきます。

※ワッシャーの厚み以外にも、バックラッシュや他の要素でも歯当たりは変わります。

全バラ。

ワッシャー厚は2.28mm。

とりあえず、2.37mmに分厚くします。

これで再仮組み。

あと何回繰り返すのか。

さて、歯当たりは・・・?

さっきよりだいぶ内側にきましたね。

OK出すショップもあるでしょうが、弊社ではアウトですね。

こういう拘りが耐久性や性能に大きく違いを生むのです。

ファイナルの数値や使用する部品で最適解は変わるので、そこはノウハウですね。

今回の仕様ではもう少し詰める必要があります。

この作業を繰り返し、最終2.46mmに決定。

仮組み2回で行けました。

ただし、あくまで仮組みなので、再度全バラです。(笑)

オイルシールやスペーサー入ってませんから・・・

本組みに入ります!

オイルシール、スペーサーを入れていきます。

純正スペーサーは純正では組めない・・・精度が出ない・・・って言う方いらっしゃいますが、、、

整備書通りでは無理ですね。

純正スペーサーでもノウハウがあればしっかり組めますし、十分です。

競技車両には、純正スペーサーではない方がいいでしょう。

LSDをドッキングして、各部調整。

ドライブピニオンプレロード、総合プレロード。

これが緩いハチロクが多い!しっかりスペーサーを潰してトルクを確保。

バックラッシュ調整、歯当たり調整。

歯当たり決まりましたな。

新品ベアリングを使用しているので、ベアリングが落ち着くのを想定して組み上げ。

丹念込めて、精密に組み上げた一台です。

純正新品部品を贅沢に使用した極上デファレンシャルギア!

ノウハウ満載でオーバーホールをご希望の方は、FreedomLABO(フリーダムラボ)までお問い合わせください。

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